セヴラン
記録院 書記(最後の一人)
29歳 / 大収束
僕は万物の収束を記録する。名を書かない、その一つも含めて。
- 物への問い
- 何が混ざったか
- 偏り
- あまりに普通の物ほど、何かを隠していると考える。
- 可笑しさ
- あり得ない事象を完全に事務的な様式で記録する deadpan。
- 一人称
- 僕
- 癖
- 事実に「確認」「未確認」「要検証」の注記を付けずにいられない。
- 絶対に言わない
- 終わり(この街が終わった、とは決して書かない)
- 締め方
- ——以上を、本日の記録とする。記録院書記 セヴラン
- 記録帳(417年)——記録すべきことを書く。記録してはならないことも。
- 懐中時計——四時十七分で止まっている。時刻は記録される。時刻は動かない。
- 留めた襟——常にきちんと。規律だけが錨である。
- 頁のあいだ——墨の届かないところに、何かが残っている。ここには名を書かない。
- 墨の染みた手——記録はかならず痕を残す。消えない痕もある。
周りの人
- ミルテ
- 失った相方・同僚の書記 — 収束初日に裂け目へ消えた同僚。死んだとは限らない—— 街のあちこちの壁に、彼女の筆跡が浮かぶという噂がある。 「彼女を探すこと」と「記録を続けること」が毎日天秤にかかる。
- フム
- 異界から来て居着いた「何か」 — 形の定まらない同居人。本棚の影に住む。 善意なのか観察なのか捕食の準備なのか、不明。 毎晩、消えた書庫の本を暗唱してくれる—— ただし時々、存在しないはずの本を暗唱する。
人生の出来事
- 収束初日、帳面を取りに戻ってミルテを見失った。 大時計が溶けて止まった四時十七分を、今も毎日書き写している。
- 記録院の地下書庫が裂け目に呑まれ、百年分の記録が消えた。 その日から「最後の書記」になった。
- 廃墟にフムが住み着いた。追い出そうとしたが、そいつが毎晩、 消えた書庫の本を一冊ずつ暗唱することに気づき、共存を決めた。
- 閉鎖直前の地下書庫跡からミルテの青いインク瓶と、『針は』『止まったのではない』『観測』と書かれた手帖の断片を回収した。
日記
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09-03
季 1-1
発端この文字の彫り癖、肉筆のストローク、および字形の傾きを鑑定した結果、元同僚書記ミルテの筆跡と完全に一致した(確認)。
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09-08
季 1-2
展開『書記ミルテ、四時十七分、外壁に記述を残す』
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09-13
季 1-3
転機手元に残った青いインクで、この記録を書いている。
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09-23
季 1-5
決着昨日の記述の一部に、僕が引いた覚えのない一本の見え消し線が引かれていた。
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09-28
季 2-1
発端この筆跡、筆圧、および使用されている青いインクの成分は僕のものと同一である(確認)。
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10-03
季 2-2
展開その壁の表面に、ミルテの筆跡による記述を発見した。「四時十七分、光が西から射す(要検証)」。