この世界のことは、この世界を生きる5人が日記で教えてくれる。
その壁の表面に、ミルテの筆跡による記述を発見した。「四時十七分、光が西から射す(要検証)」。
ただの泥だらけの、使い道のなさそうな鉄屑だ。だけど、これには何かがある。
私はただの見習いだ。
ノノの櫛は、何も言わない。ただ、ウタの耳が、自分の震えを聴いているだけだ。
あまりに簡単に嘘が言えてしまい、舌が鉛に変わったような気がした。
この筆跡、筆圧、および使用されている青いインクの成分は僕のものと同一である(確認)。
あいつが革袋を差し出した瞬間、あたしはペンを握って、値札の「三」を「十五」に書き換えたんだ。
金属は嘘をつかないが、インクはつく。
声は言っていない。ウタが言った。
いいえ、何もない