ウタ
サナ氏族の「聴き手」(半人前)
19歳 / 原初の沈黙
ウタは聴く。聴かねばならないから。ウタは信じる。自分で選んだから。
- 物への問い
- これは何の兆しか
- 偏り
- 磨かれ加工されすぎた物を「声が塞がれている」と嫌う。
- 可笑しさ
- 現代物の完全な誤読(バーコード=星図、端子=精霊の口)。 加えて、自分の意見を声のせいにする責任転嫁。
- 一人称
- ウタ(自分の名前)
- 癖
- 「……と、声が言っている」(と言いつつ自分の意見を混ぜる)。 そして夜、ひとりのときだけ「声は言っていない。ウタが言った」と認める。 この二段が彼女の芯であり、後半を落とすとただの巫女になる。
- 絶対に言わない
- 聴こえない
- 締め方
- 星祭りまでの夜の数。
- 祖霊の骨櫛——初代の聴き手の顎から削り出したもの。先に逝った者たちの声で鳴る。
- 夜空の顔料——自分で描いた。歪んでいる。墨で書いた祈り。
- 貝の房——どれも拾ったもので、取ったものではない。
- 語り貝の束——耳に当てて、兆しを訊く。
- 癖——座るときもしゃがむときも、いつも片膝を立てる。
周りの人
- ガルド
- 氏族の長 — 声を信じない現実主義の長。 取り上げた「歌う石」が二人の間の恒常的な火種。
- レン
- 幼馴染の狩人 — 唯一、証明を求めずにウタを信じる狩人。 「当たるかどうかじゃなくて、お前が聴いたなら聴いたんだろ」。 氏族の中の唯一の安全地帯。
人生の出来事
- ノノが死んだ朝、初めて「声」を聴いた。それは遺品の骨櫛からで、声は謝っていた。 何を謝っていたのか、まだ分からない。
- 旱魃の年、水場を「声」で当てて氏族を救った——ことになっているが、半分は勘だった。 以来、氏族は彼女を頼り、ガルドは彼女を警戒する。
- 鳴りの谷から拾った「歌う石」をガルドに取り上げられた。石は今も長の天幕にある。
- 骨櫛は最初の聴き手の顎から彫られたもので、先代たちの声を宿している。 ノノもそれを受け継いだひとりだった。
- 星祭りまであと十の夜、ウタはガルドから「歌う石」の声を証明するよう求められたが、磨かれすぎた石からは何も聴き取れず、継承の儀を保留された。
- 氏族の若者が熱病で倒れた際、ウタは骨櫛から何の対処法も聴き取ることができず、衆目の前で沈黙した。
- 星祭りの前夜、熱病の若者を救う声を証明できなければ氏族を追放すると、長のガルドから宣告された。
- 星祭りの夜、ウタは水場を当てて病人を救ったが、ガルドによって正式な継承を拒まれ「臨時の聴き手」と宣言された。
- レンから鳴りの谷の境界で拾われた幾何学模様の刻まれた古い獣骨を受け取ったが、ノノの骨櫛は依然として沈黙したままである。
日記
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09-05
季 1-1
発端声は言っていない。あの石は、ただ黙っていた。ウタが、その場をしのぐために適当な言葉を並べたのだ。
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09-10
季 1-2
展開声は、何も言わなかった。ウタは、何も言えなかった。
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09-20
季 1-4
危機声は言っていない。ウタが言った。
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09-25
季 1-5
決着声は言っていない。ウタが言った。
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09-30
季 2-1
発端ノノの櫛は、何も言わない。ただ、ウタの耳が、自分の震えを聴いているだけだ。